はじめに

このたび、カフェ・シェアルームスペース『風の丘』の一角を間借りして、新刊本屋を開業することにしました。屋号を「UNLEARN(アンラーン)」といいます。

丘の上なので風が気持ちよく吹きぬけ、そこから福山市街地を臨むロケーションにはすばらしいものがあります。しかし、あくまで道路からは見えない「隠れ家」のような趣の場所です。

いい街には、いい本屋があると言われます。そして、本が集まる処には人が集まるとも言われます。そのことを少し考えてみました。
「自分の感受性くらい」という茨木のり子の有名な詩があります。そこから引用させてもらうなら、私たちは今、毎日の生活の中で、自分が「ぱさぱさに乾いてゆく心」や「気難しくなってきた」ことが、ますます増えてきているように思います。
多くの人と同様、私も仕事の多忙さや、自分ではどうすることもできない大きな力の前で、時に、つい見失いがちになる「自分」があります。
しかし、それに対し「みずから水やり」をして「自分の感受性くらい」自分で守っていかなければならぬとも詩には書いてあります。
そして、それができない私たちを茨木さんは「ばかものよ」と痛烈に言い放つのですが、街の本屋とは、そういう「水やり」を担うひとつの場所のことを言うのではないか、と思うのです。

私が、自分の本屋でいちばん大事にしたいこと、それは「ことば」というのは、そもそも情報や知識である前に、まずはワクワクする「体験」なのだ、ということです。
なにも、本の情報や知識や冊数がたくさんある場所が、そのまま「ことば」を「体験」できる場所になるとは限りません。むしろ、その情報量に圧倒されて「体験」する意欲がなくなってしまうことも、よくあることだと思います。

そこに「語らい」があるかどうか、だと思いました。「語らい」とは、すぐおしゃべりするということではありません。むしろ、豊かな語らいは「沈黙」の中にあるのではないでしょうか。本の選ばれ方や、並べられ方。あるいは、表紙の色合いや質感。そういったものを直接手に触れて眺めることが「読んでみよう」という気を起こさせるのです。そして、何行かだけでも読んでみる。もしかしたらその中に、今までに出会ったことのないような鮮烈な一行があるかもしれません。そうやって人は不意打ちのように言葉に出会うのだと思います。

そんな、本との語らいを気軽に体験できる場所が、私の考える街の本屋です。
開店の暁には、仕事帰りにでも、どうかふらっと「UNLEARN」を訪れてみてください。駐車場も何台分かあります。
一通りの新刊を眺め終わったら、こんどは奥の「ギャラリー&古本」スペースへ。そこはまた、ぐっと非日常の度合いが深いところのはずです。ギャラリーを眺め、店主をからかいながら本を買った後は、隣にあるカフェコーナーを利用して、買ったばかりの本を広げながらゆっくりとしたひとときを過ごしてください。帰路につくころには、いくらか心も軽くなっているかもしれません。
開店には間に合いそうもありませんが、ゆくゆくはクラフトビールなど、お酒の販売も考えています。

12坪に満たない小さな本屋です。
どうか気軽においでください。
何か特別な日に、というより、ふだんの生活の中でフラッとお立ち寄りください。そして、自分を育てるように街の本屋「UNLEARN」を育ててやって下さい。よろしくお願いします。

 

 

紙芝居とコンサート

言葉と音がころがるところ!

5月5日(火・こどもの日)15:00開演(14:30開場)

〇 弁士 アーサー・ビナード 紙芝居「ちっちゃいこえ」
〇 楽士 瀬戸信行(クラリネット) 原田 忠(アコーディオン)

料金 おとな2,000円、こども(19才以下)1,000円
要予約 TEL、または店頭にて

 

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